>>212
ハビシャムは伯爵の部屋を飛び出してきてこう言った。
ハビシャム「ローズィ、医者を呼んでくれ。御前、熱があるみたいなんだ」
ローズィ「はい」
セディ「じゃあ、僕、お医者さんを呼んで来ます」
ローズィ「セディ、電話の方が早いわ」
セディ「じゃあ僕が電話をかけてみるよ」
ローズィ「わかったわ。じゃあ書斎へ行きましょう」
そう言って2人は書斎へ行った。

セディ「受話器を取って…。あ、ローズィ、何てお医者さんを呼べばいいの?」
ローズィ「ウォルトン先生よ。電話番号は6563、交換手さんにそう言って繋いでもらって」
セディ「はい」

こうしてセディは生まれて始めて電話をかけたのだった。
セディ「ロンドン市のオックスフォードストリートのハビシャムです。
ウォルトン先生に繋いでください。電話番号は6563です」
しばらくしてウォルトン医師宅に繋がった。
セディ「ウォルトン先生でしょうか?僕はセディ、いいえウィリアム・
ハビシャムの息子です」
ウォルトン「ん?ハビシャム弁護士にそんな小さな息子はいないと思ったが…
いったい誰だね?」
セディ「ロード・フォントルロイ、セドリック・エロルです。ハビシャムは
僕の母さん、アニーと結婚しました。お祖父さんが大変なんです」
ウォルトン「フォントルロイ卿?まさか、ドリンコート伯爵の孫というのは
あなたなのですか?」
セディ「そうです。とにかく早く来てください」
ウォルトン「わかりました。すぐに支度をします」
セディ「お願いします。では…」
そう言って電話を切った。