>>162
ハビシャム「いや、アニー、この仕事が終わり次第、ドリンコートへ帰らねば
ならないんだ。去年アールスコートの修繕が終わり、今度はそのアールスコートの
増設工事があってね、私はその工事で役所に提出する書類を作らねばならない。
だから私も御前も一旦、帰ることになるんだ。セディ、とにかく今日の一件が
片づかないとダメなんだ。もしウェリントン夫人が法的措置に出ても一旦
ドリンコートへ帰るよ」
メロン「やっぱり法廷まで持ち込まれることになるのですか?」
メロンは眉を細めた。
ハビシャム「あ、いや、メロン夫人、私はもしものことを話しているのです。
お気に触ったのでしたら謝らせていただきます」

セディ「メロンおばさん、きっと大丈夫だよ。お祖父さんもハビシャムさんも
きっと今日の夕方には良い知らせもって帰ってきますよ」
そう言ってセディはメロンを安心させた。
伯爵「レスリー、セドリックもそう言っておるのだ。そなたは何の心配もせんで
セドリックやアニーらとここで待っているがよい」
セディ「それにしてもアールスコートのどこを増設するのですか?」
セディは首をかしげた。
伯爵「まあお前には帰ってから説明する。何だったら遠乗りに出かけながら
アールスコートへ行ってみようではないか?」
セディ「それも面白いですね」
セディはうれしそうに答えた。