よそで隠れて仕事をしてたり、別会社を起こして逃げたりするような
アニメーターが多くなったので、東映動画も、基本給をうんと抑えて
歩合制で賃金を出すようになってしまったわけで、そうして今では
正規雇用は滅多ないという自分たちあるいは諸先輩たちのやっていた
ことの報いが今日の劣悪な業界の労働条件につながっているわけです。

会社としては、勤め始めての頃は下手糞だし、速くもかけないから、
まあ使い物にはほとんどならないがそれでも雇って仕事を重ねていく
うちに上達して使えるような技量になっていくことを期待して一種の
投資として給料も出しているのに、絵が上手くなったりかけるように
なると,会社を抜けて独立されたり、よそで裏稼業をされてしまうの
では育てる意味がない。それぐらいなら最初から能力に対してだけ
労賃として払う仕組み。雇用も需要と能力に合わせていつでも解雇
できるような、あるいは請負労働契約で働いて貰って使いたいときだけ
雇う方がフレキシブルだし労働争議も原理的には回避できるわけ。
 そうして、労働条件が悪いと突き上げられたら、宮崎駿のように
手塚治虫が悪いと矛先を逸らすためにデマを流して平気だ。