>>31の続き)
そこへバルボスを連れて海賊兵士の一団がやってくる
バルボスは娘の命を保証するという条件で海賊の要求に従うと承知した
そして最後にもう一度だけ娘に会わせてほしいと懇願したからだ
ジェイスがまさかこんなことをしてるとは海賊兵士たちにとっても予想外だった
それでもジェイスの行いを咎める者はいなかった
娘の美しい裸身を見れて悪い気分になる者はいない…父親であるバルボスを除いては

ジェイスは立ち上がるとマチュアの脚を真っ直ぐに戻してやってから
装置から出てきてバルボスの方へ歩み寄ってきた
これは餞別です、と折りたたまれたハンカチを渡された
開いてみるとシェービングクリームで濡れそぼった縮れた毛があった

バルボスのなかで何かが弾けた
バルボスはジェイスに掴みかかり、ジェイスはそれを払いのけようとする
バルボスがタフさとは無縁の体格なのもあり、海賊兵士たちは二人の諍いを子供のじゃれ合いくらいにしか思っていなかった
勿論マチュアに見とれていたから、というのもある
揉みあいになった二人の体が幾度も冷凍睡眠装置にぶつかると、弾みで起動スイッチが入ってしまう
ガラス蓋が閉じて冷凍睡眠装置は作動を始める