『こうべん祭り』
おどの山にむっかき風がふくころ
うらがみさまのこうべん祭りのお囃子が聞こえてくる。

へんへろぴーぷー、へんぴろしゃー
へんへろぴーぷー、へんぴろしゃー
へんへろぴーぷー、へんぴろしゃー

三吉はこの季節になるといても立ってもいられない。
家の手伝いのばんばさ草のかげみのへけれみかぎりも、べっこのばっばのおろごんさこしも、
ついつい疎かになってしまうのだ。
じっさまはそんな三吉の心を見抜いたかのように、縄ないの手を休めて
にこにこと話しかけるのだった。

「三吉。おどは、まぁた祭りのごっさ、まんじょびってからに。まんず、ハぁ、とんならごっちの、けかじめばっかさじょろがしよって、はァ、おんよ、まびらかってぞんぞ・・・」

囲炉裏ばたのじっちゃのごま塩頭。うっうっ、ものびらき始める。

「んだなっしよ。じっさま。ハァ、よげらみにしよって、おでま。まんず・・・」

柱の古時計が『ぼんよよよ・・・オーん・・・・ぼおんよ・・・オーん・・・』と鳴る

「じっさま、おら、ばがみこいしす。うっず、めんどこしまなれけんども、おんがずしてっす・・・」

じっちゃ、ハァ、って大きく息を吐いて、まっはぼけ、ゆでたあんもこすのがた、じらっとまきんたと。

「こっつこんだらおまぐねらがきが、もさど?・・・おう!三吉、がざいでくぁ!くぁ!おん、まっはぞろのいど、おど!おどががきーんまぐね!ろぼがきん、まぐね!」

おじい、はんどばらあ!!」