どうして人は生きる命をそんなに粗末に扱うのだろう?
野良犬だってかげがえの無い、おにいちゃんとわたしは兄妹だった。
やっと目が見え、歩き始めた。むく毛も抜けぬ子犬の頃は、
ママのふところで何も知らずに、おにいちゃんとわたしは幸せだった。
ところがある日、ママの居ぬ間に、やさしい主人に首筋つかまれ、
箱に入れられ、見知らぬ遠くへ、おにいちゃんとわたしは捨てられちゃった。
家が恋しいと泣いてみたくて、助ける人も食べ物もなく、
日は暮れかける、雨は降り出す。おにいちゃんとわたしは、ただ震えてた。
やがて2匹は当ても無いまま、長い、さすらいのたびに出かけた。
何も知らない小さなわたしを、おにいちゃんは必死でかばってくれた。
そうしたある日、わたし一人が、今のおうちに拾われていった。
別れるわたしの幸せ祈って、お兄ちゃんは黙って見送ってくれた。
月日が過ぎてある日見かけた。夢にも忘れぬお兄ちゃんのすがた。
喜び駆け寄り、わたしは知ったの。「お兄ちゃんは野良犬に成りきっていた!」
怖い野良犬、悪い犬だと人に嫌われ、除け者にされ、捨て犬だから知った憎しみ!
おにいちゃんの気持ちを、わたしはわかるの(涙)
(ナレーション)どうして人は自分の子でさえ、ぼろくずみたいに平気で捨てるの?
生きてる命を捨てるという事。おにいちゃんはどんなに憎んでいただろう。
だから捨て子を見かけたときに、我を忘れてそばに駆け寄り、「思いなおして!」と
訴え続けた「おにいちゃんを誰もわからなかった・・・」

(激しい銃声!おにいちゃんは、猟銃で撃たれて死んでしまう)

どうして人は生きる命を、こんなに粗末に扱うのだろう?
小さな動物・・人間ですら、捨てるという事の意味を知らずに。
二度と捨てないで!生きる命を!おにいちゃんの命を無駄にしないで!!!

以上。捨て犬の唄の歌詞です。