時間が経過したから書かせてもらうけど、
長谷川さんはやたらに基本、基本と言ったよね。
長谷川さんの引退の前後に稽古つけてもらったけど、
練習で普通にドライブしただけでも、
うしろから、ドライブじゃない、基本打法を練習しろって声が飛んできた。
お恐れながら、今考えれば、長谷川さん自身はああいうオーソドックスではないスタイルで、
グリップも個性的だし、いつも基本どおり足を動かして打っていたかっていえば、
むしろ反対で、それは下がってのラリーが印象に残ってるけど、
いくらなんでもそこまで持っていくには、台のそばで3回くらいは返球してるわけで、
それも試合では十分な体勢で打たせてはもらえないから、
こういうところで臨機応変にどんなかっこうでも相手に攻撃されないようなボールを
返すのが長谷川さんは実にうまかったんだよね。
絵にならないから、あまり雑誌の写真等では使われないけど、大事なところだ。
中国やヨーロッパが日本に比べてうまいのはこういう技術って感じもする。
事実、ワルドナーにしろ、他のヨーロッパや中国のトッププレーヤーは苦しい体勢でも、
信じられないような球打つもんな。
武道精神なのか、自分はオーソドックスでなかったので、打法だけはオーソドックスを強調したのか、
ともかく、長谷川さんに限らず、日本の指導者があまりに型にとらわれた結果が、
彼らの世代以降の不振(いや、長谷川さんの頃も真剣勝負では中国にかなわなかったが、
これも中国のほうが型にとらわれてなかったからで、日本はオールフォアドライブの幻想をなかなか捨てられなかった)
につながったのでは、と思う。