菅首相や森喜朗組織委会長の「五輪は絶対やる」という言葉を、朝日新聞や毎日新聞を含む大手メディアが拡声器として社会に拡散すればするほど、五輪関係者を含む「下の者」が、もう五輪は無理だ、止めた方が賢明だ、という理性的な意見を言えない空気が蔓延する。朝日も毎日もそれに加担している。

今のこの状況では「東京五輪が開催できない可能性が高い」という子どもでもわかる現実を直視しない首相や政府、都知事も危険だが、その危険な状況にまったく疑問を差し挟まない大手新聞テレビというのも、同じくらい気持ち悪い。

戦争と五輪は違うが、政府とメディアの同調具合は戦中と同じ。

これはつまり「現実に合理的思考で対処するのでなく、東京五輪は絶対やるのだ、何があってもやるのだという、迷いのない決意で対処するのだ」という、牟田口廉也的な精神論ですね。

死屍累々でも東京五輪はやる。そして誰もそれをおかしいと言わない記者たち。戦中回帰です。