妻が出産前に体調を崩して入院していた
ひとりで寝起きする日々が続く
軒先につるした鳥籠の中には雛から育てたオカメインコがご機嫌に何かつぶやいている
出産予定日になった早朝、鳥籠のほうからギャーギャーインコの声がする
何を騒いでいるんだと思いながらも、妻のところに急いで車をとばした
無事出産が終わり、付き添いを両親に代わってもらい、夜に帰宅
餌を補充しようと鳥籠のそばに行くとインコが居ない
ハッとして鳥籠の底をのぞき込んだら、インコの翼だけきれいに一揃い落ちていて
彼の体はどこかに消えていた
ショックだった、多分イタチだ、イタチに襲われて抵抗して翼を食いちぎられたんだ
泣けたよ
泣けた
あまりにもきれいに翼が残っていたので、何だかおかしくなり
泣き笑いしながら鳥籠を片付けた
あれ以来、鳥は飼わなくなった