おいどん、バイク乗りだから、ハムをバイクのサイドバックに入れて、よく旅をしたものだ。

ゲージごといれて、新聞紙等で動かないように軽くつめるんだ。

海や日の出、日の入り、あちこちいったなぁ。
もちろん夜行性だから、無理させないように気をつけてたんだ。
熱くないように、寒くないように、起こさない様に気をつけてたんだ。

だけどその日は違った。

ゲージを変えて、一緒に出かけたんだ。特に意味も無く。
新しいゲージだから、バッグの中で動いたり、揺れたりしないか、試すために。

そんな心配は 当たってしまうんだよな

振動で上蓋が開いて、ハムが出てしまったんだろう
重なる新聞をよじ登って、サイドバックから流れる景色を見たんだろう

何か興味をひくものがあったのか、それともただ落ちただけなのか


目的地に着いたとき、マフラーに残るハムの焼けた毛

開いたゲージ

空しさと悲しさと、己の不甲斐なさに苛まれた。


もうあれ以来、ハムをマフラー側のサイドバッグには入れてません。