面白さは譲れぬ哲学。フランスの自主性重視は新鮮だった。同大は、故岡仁詩監督の「自分の考えでやれ。それで結果が出なかったらしゃーない」というスタンスが居心地よかった。日仏で学んだエッセンスを、腐りかけたメンバーに注いだ。

 1年でBリーグへ復帰。「体を張る。走る。うまい下手はその次」という信念で、コツコツと強化。留学生を融合させた超高速の展開ラグビーは今、ファンを魅了する。

 寮の責任者で、毎朝7時10分、選手との体操から1日が始まる。強豪になった今も、初心者を受け入れる。つい数年前、野球部から転部した選手がBチームでレギュラーになった。選手勧誘は「今も競合したら来てくれない」と苦戦続きで、勇んで来る選手は1メートル70台前半が多い。早大戦も小柄なメンバーが躍動した。寛容な指揮官の人柄もあって、チームは全国の小兵の希望になっている。