「きのう何食べた?」号泣回、愛おしくなる空気感とプラスの余韻

https://netallica.yahoo.co.jp/news/20190623-33656002-dwango

よしながふみ原作の人気マンガを実写化したドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京・毎週金曜深夜0:12〜)。
シロさん(西島秀俊)&ケンジ(内野聖陽)の日常を丁寧に描き、
金曜の夜に多くの人をほっこりとあったかい気分にしてきた本作も、いよいよ佳境。

21日深夜に放送された第11話は、人気キャラ小日向さん(山本耕史)&ジルベール航(磯村勇斗)が久々に登場し、
シロさん(西島秀俊)&ケンジ(内野聖陽)と4人でクリスマスパーティー。
楽しくてグッとくる4人のシーンは、「面白すぎた」「涙腺崩壊」
「みんなが愛おしくてたまらない」「芝居ってすごい」など大反響となった。
「笑いと感動」「現実と愛情」など、様々な“重さ”のバランスが取られ、幸せな余韻を残してくれた。(以下ネタバレあり)


冒頭、シロさん(西島秀俊)は実家で母(梶芽衣子)と一緒に台所に立ち、トンカツの準備。
母は「あなたが女の子だったら…」と男性カップルを受け入れられていない発言をしながらも、
「でも、全然嬉しくないって言ったら、そうでもないんだけど。こうして二人で台所にいるっていうのもね」と言って、2人は静かに微笑み合う。
母親の複雑な心情を吐露しつつも、笑顔でこのシーンは終わる。

その後、心穏やかな食卓で終わるかと思いきや、
「こ、こここ、今度のお正月、彼氏さん、いえ矢吹賢二さんをうちを連れてらっしゃい」
「だだだだだ、だって!あなたたちはもう結婚してるのも同然なんでしょ?」。
母が突然不自然なギアチェンジ。
さらに、それまでニコニコしていた父(田山涼成)も「おまえはそんな生半可な気持ちで同性愛をやっているのか!!!」と激昂。
「真面目な子だと思ってたのに!!」と、さらにたたみかける母。
シロさんは唖然。両親からしたら思い切った歩み寄りの発言だが、前半からのスピードチェンジも相まって、クスっと笑えるシーンとなった。

クリスマスパーティー前半は、ジルベール航(磯村勇斗)を中心に楽しさ全開。
指輪を執拗にちらつかせるケンジ(内野聖陽)。
ジルベール航が気づいたと見るや、勝ち誇ったような表情。二人の視線バチバチの攻防は笑ってしまう。


ジルベール航はシロさん(西島秀俊)が作ったクリスマスディナーにことごとくケチをつけながら、その美味しさに箸が止まらない。
明太子ディップには、「何このデブ製造機みたいなメニュー!!」「これ以上食べたら病気になっちゃう」と失礼千万な発言をしながらも、
「じゃあ食べなくていいよー。はい、はい。」とシロさんが取り上げようとすると、「止まんないの!!」と皿を引き寄せ睨む。

次々文句を並べるジルベール航に、小日向さん(山本耕史)は気が気でないが、シロさんはジルベール航に炭水化物半端ないラザニアをドサッと盛る。
「いやーーーーやめてーーー!!」と絶叫しながらも、次々口へ運ぶジルベール航の様子を、
シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)はイタズラっぽい笑顔で心底楽しんでいる。

極めつけは、シロさんが口直しに出した紅茶のアイス。
「見た目が地味でブサイク」などと言いたい放題のジルベール航(磯村勇斗)だったが、一口食べると、とろけるような表情で「おいし〜い」。
その様子をシロさんとケンジはやはりクスクス笑って眺めていた。

ジルベール航の言動だけ見ると嫌な奴のようにも思えるが、
シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)が終始笑顔でおもしろがっていることで、
失礼すぎるジルベール航がとてつもなく可愛く見えてくるという平和な空気感。
磯村勇斗の表情の変化や仕草が魅力的な上に、間に挟まれる小日向さん(山本耕史)もまた細かい動きが絶妙で、結局4人とも愛おしく思えてくるのだ。


そして、パーティー前半の笑いの後には、号泣する人続出の大きな感動が。
「正月は、ケンジ連れて、俺の実家に帰ろうと思ってるんだ」シロさんは意を決したように話し始めた。

「きっと両親は、俺がゲイだってわかった時、俺のこと可哀そうな子だって思ったろうって。
次に、俺がこんなふうになってしまったのは、私たちの育て方が悪かったんじゃないかって、自分を責めたかもしれない。
だから、ゲイのなんたるかを知ってほしいってことじゃなくて、少なくとも今俺が、両親が思っているよりも不幸じゃないんだってこと、分かって欲しくて」。