◆日々サバイバル
―― そして明治大学に進んだ

明大は上下関係が厳しくて、1年生のときは今までの人生でいちばん苦しかったですね。明大は厳しさで有名でしたし、実際話したらきりがないほど凄かったですよ。
例えば先輩に何か話しかけるときには、目線は必ず下からです(*と言いながら向かい合っている顔をインタビュアーより下にもっていって、そこから上目づかいで見る)。
先輩が肘枕でテレビを見ているとすると、床に頭をつけるようにして話かけなければいけないんです。
しかも例えば何々を貸してください、とかハッキリ言ってはいけない、◯◯さん、誰々が何々を貸してもらってもいいのかなぁと言っているようです、みたいに言うんです。
あるいは電話は3回以上鳴らしちゃいけないとか。

それから"しぼり"がありました。上級生がずらーっと前にいて、その前で1年生が腕立て伏せをします。
上級生が「上・下・上・下」と言うのに合わせて(*1回の上・下でだいたい1秒から1.5秒ぐらいのペース)やるんですが、腕立て伏せの体勢がくずれるとバシッと叩かれるんです。
例えばいま、1千万円、2千万円あげるからもう1年そのときと同じことをやらない?と言われても、絶対やりませんね。

新人合宿のとき、最初は30人以上いるんですが、5〜6人は辞めたり逃げちゃったりするんです。辞めるのはいいんですが、逃げると戻ってくるまで僕らが腕立て伏せをさせられる訳です。
だからやめてから逃げてくれ、と思いながら探しに行くんです。見つかるまで毎日腕立て伏せです。
明大は推薦の人しかラグビー部に入れないので、普通に大学に入ってきてラグビー部に入りたいと体験入部してくるやつがいるんですが、一応受け入れても何日間かでだいたい辞めて、もし辞めない人がいると辞めるまで腕立て伏せなんです。