海外ファン、ビール量すごい ラグビーW杯組織委が説明会 「サッカーの6倍」準備大丈夫? [大分県]


 海外のラグビーファンはとてつもなくビールを飲む。
準備を怠るな−今秋のラグビーワールドカップ(W杯)を控え、大会組織委員会が
大分市で飲食店経営者らを対象に説明会を開き、注意を呼び掛けた。
その消費量はサッカーファンの約6倍で、2015年のイングランド大会では
スタジアムとファンゾーンだけで190万リットルが飲み尽くされたという。
過去には地域のビールが品切れとなったケースもあり、
関係者は「同様の事態になればSNS(会員制交流サイト)などで文句を言われ、
日本の評判を落としかねない」と警鐘を鳴らす。

 説明会は1日にあり、組織委のミック・ライト事務総長代理待遇=英国出身=が過去の事例を紹介。
(1)03年のオーストラリア大会では、アデレードにアイルランドとオーストラリアのファンが集結し、
ビールが品切れに。周辺地域からビールの“緊急支援”を受けた
(2)07年のフランス大会では南アフリカとフィジーの試合があったマルセイユで
ビールが売り切れ、ビジネスの好機を逃した
(3)イングランド大会では週末の2日に1カ月分の飲み物を準備して乗り切ったパブがあった−と説明した。

 イングランド大会では、観客のビール消費量が、同じ会場で行われるサッカーの試合の平均6倍以上で、
総量は190万リットルに上ったと指摘。
「ラグビーファンは年収が平均を上回る人が多い。特別な大会で、社交性から金を投じてビールを飲み、
楽しく交流しようとする」ために酒量が多いと分析し「ビールを提供していれば、
彼らはずっとハッピーだ」とした。

 特によく飲むのはイングランドとアイルランドのファン。
大分では10月2〜20日に準々決勝2試合を含む計5試合があり、
イングランドが勝ち上がれば県内で試合が行われることになる。

 ラグビーは体力の消耗が激しいことから、サッカーなどに比べて試合の間隔が長く、
ファンは長期滞在することになる。その間、テレビのあるバーなどに行って、
他会場の試合を見るため「期間中、飲食店の消費量は通常の4、5倍。
在庫の十分な確保を」と呼び掛けた。

 日本大会で予想される観客層は男性78%、女性22%で、半数以上が40〜50代。
国内からが66%、海外が34%としている。ラグビーファンについて
「歌って大騒ぎするのは盛り上がろうとしているだけ。ライバルチームのファンとのけんか騒ぎはない」と説明。
恐れたり心配したりする必要はないと訴えた。

=2019/03/09付 西日本新聞朝刊=
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/492707/