差○大

あの日以来、怒りと屈辱感はまったく晴れることがない。

菅平に行ってきた。早稲田対帝京のゲームを見た。帰りの新幹線の中で、筆者は悔しいやら
情けないやらで、一人涙していた。いいオヤジが新幹線で涙する姿に、隣の席の青年は驚い
たことだろう。

涙の理由は、0−43でワセダが敗れたからではない。早稲田大学ラグビー部が「誇りと品格」
を自ら捨て去った瞬間に立ち会ってしまったからだ。いや、捨て去ったのではないのかもしれ
ない。「誇りと品格」。彼らはそんなものが世の中に存在することすら知らなかったのかもしれ
ない。

筆者が新幹線で一人涙したわけを語ろう。最大のものは、早稲田側から帝京側へ発せられた
ヤジである。

「五流大学!」

スタンドからではない。選手から発せられたヤジである。最低だ。早稲田とかいう大学が何流
なのかは知らないが、品格が五流以下であることだけは確実だ。さらに、試合のさなか、夏合
宿での練習で真っ黒に日焼けした帝京の選手に対して、

「くろんぼ!」。

これに至っては、何が言いたいのか、何がしたいのか、さっぱりわからない。君たちは幼稚園
児か!いや、これは幼稚園児に失礼だ。いまどきの幼稚園児は、こんなバカなことは言わな
い。

そして、帝京のキャプテンが試合後、早稲田ベンチにあいさつに行ったところ(後藤監督は早
々にグラウンドを後にしていたらしい)、あいさつを受けた早稲田のコーチはその帝京のキャ
プテンを「あいさつなどいらない」と追い払ったという。

なるほど。あいさつもできないコーチに指導されているのでは、選手に何を求めても無駄であ
る。

帝京関係者から「早稲田ってそういうチームなんですね」と言われるこの屈辱。

「あなたはあんなチームの関係者なんですね」
「あなたがいつも『すばらしい』と言っている後藤監督率いるチームにしては、品格に欠けます
ね」

そう言われたも同然だ。

はっきり言おう。早稲田大学ラグビー部の諸君よ。自ら、その誇りと品格を捨て去った者に、
明日の栄光など絶対にない!