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『こ、この鬼畜ちび人間!いい加減にするですぅ!
どこまで性根が腐りきっているですか!さっさと蓋を開けて髪を放すですぅ!
この髪は、この髪はお父さまのお手製の、翠星石の命ですぅ!
これ以上穢すのは許さないですぅ!』
マンホールの蓋でおさげ髪を固定された翠星石は、下半身をじたばたさせながらも
依然として憎まれ口での抵抗をやめない。とはいえ、片足を砕かれ、鞄を破壊され、
既に薔薇乙女としての自尊心は満身創痍、この台詞も自我を水際で維持する
最後の抵抗なのだろう。しかしジュンには、この期に及んでもまだ止まない
一段上から見下すような翠星石の言い回しが一層、癇に障るのだ。
「いい加減煩いのはおまえのほうなんだよ!前っから気に入らなかったんだ!
お前のその『ですぅ』と、何かにつけて鼻につく、その命令口調!
何様のつもりなんだよ!ヒトを見下すその言い方、こんどこそ封じ込めてやる!」
逆上したジュンは何度も翠星石の口元を踵で踏み付けた。それだけでは飽き足らず、
玄関から槌を持ってくると、力任せに鼻から口元を何度も打ち据えた。
『ひぐゥう!ひぐゥウ!はぐぅ!ぐふぅウ!やめ..ぐふっ!ひぐぅうう!』