>>546

いや、そんな事を考えているのは、アナタだけだと思って(笑)。
あのね、そんなにテレビって、ギリギリの納品って許してくれないし。
最終回 近くになると、スタッフは手が余ってくるから、余裕が出来るんですよ。
打ち切りでもない限り。

だから、僕が『トップをねらえ!』の第6話を作ったときに、
もう最初から「モノクロで行こう!」ってふうに決めてたし。

「クライマックスシーンは全部 止め絵の連続で、オペラみたいな音楽をかけよう」って言ってた。
でも、それであっても「お金が足りなかったから?」とか「スケジュールが足りなかったの?」って、さんざん聞かれた。
それで面白いから庵野と二人で「いや、その通りです! もう間に合わなかったんです!」って ちょっと言ったら、
それがあっという間に拡散して、本気で信じられちゃったっていうのがあるから(笑)。
エヴァの最終回も、「ああいうのが作りたかった」っていうのが分かりきってるんですよ。
あ、ナディアは違いますよ。真ん中へんの無人島編は。ナディアは本当に困った(笑)。
でもラストが ああいうふうになるのは、もう最初から決めてました。

なので、エヴァも最後はスケジュールがカツカツで誤魔化そうとして、あんなの撮った というのじゃない。
だって、台本を写したり、実写っぽいものを撮ったりする方が、絶対に手間がかかっちゃうわけだから。

アニメって、手を抜いたアニメを作るほうが一番 楽で。
何か ちょっと変化球みたいな事をしようと思ったら、それだけスタッフのストレスも手間もかかっちゃうんで。
あのエヴァの最終話あたりは、計算どおりだったと思いますよ。
ただ その “計算どおり” っていうのが、ぴったりフィットする人もいれば、
全然 納得できなくて「本当のことは? 本当のことは?」って言う人もいるんですけども。
あの当時から、アニメの評論家というか、俺たちは何も隠してないですから(笑)。