>>955
 例えば、『ゴッドマーズ』っていうマンガがアニメになった時、『六神合体ゴッドマーズ』っていうタイトルになったんですよ。
「6体のロボットが合体する」から「六神合体」なんですけど。これ、合体じゃなくて、デカいロボットのお腹とか胸が開いて、
その中に小さいロボットが入っていくだけなんですね(笑)。

 だから、「これ何だよ!? これじゃあ合体じゃなくて、ただ単に箱に収納してるだけじゃん!
マトリョーシカじゃん! なんでこれが強いんだよ!?」って文句を言うことも出来るんですけど。

 でも、「いや、あれは箱ではなく、フレーム構造のようなもので、あの箱自体に駆動系が入っているんだ!」
という屁理屈を考え出すヤツがいて、それをコミケで売るヤツまでいるわけですよね(笑)。

 本来、SF警察というのは、そういうのを見つけるべきなんですよね。
「『六神合体ゴッドマーズ』はSF的にダメだと思ってたんだけど、逆にここが良い」というふうに言える理屈を見つける、と。

 ただ、そんなことを言う僕も、『ガンダム THE ORIGIN』に対しては、そうは言えないのは、
「でも、あの世界観の中で、月で6分の1重力でないのは、あまりに無茶だから」なんですよ(笑)。

 それはもう、『仮面ライダー』の中での設定が狂っているのと同じということで、ツッコむんですけども。

 まあ、タケコプターもそうですよね。

 藤子・F・不二雄さんというのは、そういうことがすごく上手くて。
 タケコプターも一番最初はプロペラで飛んでるみたいに書かれてたんですけど、子供から質問が来たら、
すぐに「あれは実は無重力で飛んでいて、頭につけることによって、繋がっている部分全体が1つの力場に包まれて、
それで浮遊しているんだ。頭の上で回っているのは何かというと、この装置が安全に作動しているというサイン、
いわゆるパイロットモニターランプみたいなもので、上でクルクル回っているシンボルに過ぎないんだ」って、
ちゃんとF・不二雄先生は説明してて。

 こういうふうに話すことがSF警察……じゃないですね。「SFレスキュー」と呼ぶべきでしょうか。
「SF的な設定を助けてくれる」というSFレスキューですね。

 SF警察の裏には、SFレスキューがいるんですけど。議論が白熱して両者ムキになってくると、SF警察は出てくるんですけど、
SFレスキューは遠くから見てるだけになっちゃうんですね。「『彼方のアストラ』、揉めてますねえ」と(笑)。

 僕の知り合いも、みんなFacebookで書いてますよ。「『彼方のアストラ』揉めてるけど、程度の低いSF論争してやがるな」とか。
 「SFレスキューの人、行ってあげてよ!」と思うんですけど、なかなか行ってくれないんですよね(笑)。