>>622
・・・

 だったら、どうすればいいのか?

 ……いや、もうね、こんなことを考えてもしょうがないんですよ。
「生き残った人間はどういうふうにすればいいのか?」って、別に、人類はまだ滅びてないから、そんなこと考えてもしょうがないんですけど。

 まあ、科学文明の第2シーズンを作るしかないと思うんですね。
 すでにあったものを集めて、それでなんとか食っていくことしか考えてなかったら、自分たちが死んだ後に残った世代が完全に消費しか覚えない。
なので、なんとか生産という方法を教えなきゃいけない。

 これを、僕は「人類文明の第2シーズン」と呼んでいるんですけど。

 第2シーズンという言い方をすると、「いや、第3シーズンじゃないのか?」と
「実は人類は一度、文明が頂点に達して滅びてしまって、今の文明は第3シーズン、第4シーズンじゃないか?」
と言う人もいるんですけど。

 これは違うんですよね。今の地球には化石燃料がちゃんとあるから。

 化石燃料というのは、数億年前に作られたものを、産業革命以後にガーッと使い始めたんです。
だから、もし、今から1万年前に科学文明があったとしたら、その時に化石燃料を使い尽くしてるはずなんですよ。

 「かつて、ローマ帝国が滅びた」ということも、中世の人たちにとっては言い伝えでしかなかったわけです。
でも、ローマの存在には、見てわかる証拠があったんです。

 それが何かと言うと「自分では作らない石で出来た建造物」。
もう1つは「原生林がヨーロッパに全く残ってない」ということなんですね。

 かつて、ヨーロッパには原生林の暗い森があったんですけど、ローマ時代にそれらを全て伐採して、
植林した。その結果、綺麗な雑木林や里山しか、今のヨーロッパには残ってないんですね。

 ローマ人が原生林を全て切ってしまったから、今、雑木林になっている。これがローマ文明が存在した証拠なんですよ。
 同じように、僕らの文明より前に先史文明があったとしたら、そいつらが絶対に石油とか石炭を使い尽くしているはずなんですね。
今の僕らが、ほぼ使い尽くしているのと同じように。

 でも、産業革命の時、石炭なんて、ちょっと掘ったら浅いところでいくらでも掘れたし、石油も少し掘ったらゴボゴボ出てきた。
地球の文明で1万年くらい前に科学文明がなかったということが、これで反証的に証明できるんですけども。

 というわけで、この世界で自分以外の人間がいなくなったらどうなるのか?
どうやったら人類文明の第2シーズンというのを作り出すことが出来るのか?

 残念ながら、無料放送はここまでです。ここから先は、人類が消滅しちゃったその瞬間から、
その日の夜、次の日、1週間後、1ヶ月後、半年後に何が起きるのかということを、かなりリアルに予想して、
そんな人類崩壊後の世界を、ちょっとブラタモリしてみようと思います。