>>619
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 さあ、では、こう言う場合、どうしましょう? 2つ目のアンケートです。
 「世界で皆が消えてしまった。でも、他にも生き残りがいるかもしれない」という時に
「1.連絡を取る・会いに行く」「2.連絡を取らない・孤立を選ぶ」。
 みんな、どういうふうに生きたいのかな? これね、僕もわからないんですよね。

「孤独を選ぶに決まってる」(コメント)
「1一択」(コメント)

 じゃあ、結果を出してください。……おお、半分半分くらいですね。面白いな。
 「連絡を取る・会いに行く」の人が、無料の方は55%。「連絡を取らない」が44%。
プレミアムの方は「連絡を取る」のが43%で「孤立」を選ぶのが57%。ちょっとの差はあるんだけど、
やっぱりこれもほぼ半分半分くらいになりましたね。

・・・

 じゃあ、どっちがいいのかというと。
 僕の好みというよりは、必然的なことを話しますけども、やっぱり1人では生きていけないというのがあるんですね。
 それは、この本『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』の序章にも書いてあるんですけど。
まず、豊かな暮らしというのは、やっているつもりでも終わりがあると。


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 そのあとには莫大な資源がまだ残されているに違いない。スーパーマーケットには充分な食品が貯蔵されたままになっているだろうし、
 人気のなくなったデパートの店舗からデザイナーズブランドの新しい上等な服をもちだすことも、
 これまでずっと夢に見ていたスポーツカーをショールームから失敬することも可能かもしれない。

 放置された豪邸を見つけて、少しばかり家捜しをすれば、さほど苦労せずにもち運びのできるディーゼル発電機を何台か見つけて、
 照明、暖房、および家電を動かすために利用できるだろう。ガソリンスタンドの地下タンクには燃料が残っていて、
 かなりの期間、新たに手に入れた家や車を動かしつづけられるだろう。

 それどころか、大破局の直後にはおそらく生き延びた小集団はかなり快適に暮らせるかもしれない。
 しばらくのあいだは、文明はみずからの勢いに乗って惰性で進みうるのだ。
 生存者は自由に手に入る資源の山に囲まれていることに気づくだろう。豊かなエデンの園だ。

 だが、その楽園は腐りかけている。
 食糧、衣服、医薬品、機械など技術から生まれた産物は、時とともに容赦なく腐食し、分解し、劣化し、退化する。
 生存者には猶予期間が与えられているに過ぎない。文明が崩壊し、主要なプロセス─原材料の収集、製錬、製造、輸送、流通─が
 突然停止したら、砂時計はひっくり返されたのであり、砂は着実に落ちてゆく。

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