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(DVDを見せる)【画像】宮ア駿の仕事DVD
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・『プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎 駿の仕事』

 ……あの、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』というドキュメンタリーがあるんですけど。
この宮崎駿の特集の中で、本当に「いやあ、彼の一生はこれから大変ですよ。アハハ!」って大爆笑しているんですよね(笑)。

・・・

 じゃあ、なんで「幼い宗介が大変な契約をしてしまう」という結末のこの映画を、宮崎駿は「ハッピーエンドだ」と言うのか?

 あのね、ここからがちょっと面白いところ……というか、僕、ちょっと怖いんですけど。

 宮崎駿にとっては、別に、触手が付いていて得体のしれないグランマンマーレだけが怖いわけじゃないんですよ。
全ての女は、宮崎駿にとっては、グランマンマーレと同じなんです。

 「全ての女はグランマンマーレと同じように怖く、得体がしれなく、でも、強くて美しくて、男は敵わない。
だから、一度好きになってしまったら、一生死ぬまで振り回される。それが女である」というのが、
宮崎駿がこの映画の中で語っている「女とは何か?」という考え方なんですよ。

 例えば、宗介のお母さんのリサとグランマンマーレが話しているシーン。
この内容は、一切、観客には知らされないんですよ。
すごく遠くで話している描写があるだけでセリフも何も聞こえない。あまりにも不自然なんですよね、このシーン。

 ここまで教える気がないんだったら、いっそ話し合っているシーンごとカットしちゃえばいいんですよ。
ところが、このシーンって、コンテの時点から、かなり長い秒数を指定されているんです。

 つまり、「ここで何を話しているんだろう?」と、観客に想像して欲しいということなんですよ。
わからないように作っているんですけど、想像して欲しいんですね。

 物語のラスト、宗介達の街は大津波で水没するんです。水没するんですけども、なぜか平和なままなんですね。
みんな生きてて、平和なままで、ついに宗介のお父さんであり、
リサの夫でもある長嶋一茂が乗る小金井丸まで無事に港に戻って来るんですよね。

 もちろん、小金井丸が戻って来れたのは、マンマーレのおかげです。ということは、
観客にすら聞かせられないリサとマンマーレの会話は何だったのかというと、
おそらく「あなたの夫は生きて返してあげるから、その代わり、あなたの息子を差し出しなさい」
というやり取りをやっていたということなんですよ。