>>769
 深海魚です。この口には鋭い牙が生えていて、頭から生えている触手の先端の辺りから
発光液という液体を放出するので、海の中で光るんです。

 つまり、グランマンマーレの女性の形をした部分というのは、この触手の先端部分なんですよ。
この部分が女の人の形をしているんですけど、その奥には、超巨大な、
大きさが1キロくらいあるグロテスクな深海生物の本体が存在しているわけですね。

・・・

 グランマンマーレの本体は、今、言ったように、チョウチンアンコウなんですけど。

 現実のチョウチンアンコウというのは、「深海でも光るこの触手で獲物をおびき寄せ食べる」という生物なわけです。

 それと同じく、このグランマンマーレというのは「この触手の先にすごく美しい女の人の全身を作って、
人間のオスをおびき寄せて異種交配をする」という生物なんですね。

 宮崎駿は、さっきの本とか、別のインタビューでも
「グランマンマーレには、フジモトだけでなく、何人も夫がいる」って言ってるんですね。

 つまり「貪欲で多淫症」というのかな? 「とりあえず、いろんな相手と交配するのが好き」というような性格なんです。
さらには「これはもう、その娘であるポニョもそうだ」と言ってるんですけど。

 じゃあ、フジモト以外の他の夫はどこにいるのか?

 フジモトと同じように、世界の海のどこかに住んでいて、グランマンマーレが来るのを
待っているのかというと、いや、たぶん違うんですよね。

 その理由は「マンマーレの正体はチョウチンアンコウである」というところからもわかるんです。

 チョウチンアンコウのオスとメスの交配の仕方、交尾の仕方というのは、かなり特殊なんですよ。

(パネルを見せる。 日テレニュース24 the SOCIAL natureより画像引用)【画像】チョウチンアンコウのオス ?NNN
https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/production/uploads/images/14127207/picture_pc_3777f3eda678b6f07ab8e1890a18caa9.png

 「メスに噛みつき一体化するオス」と書いてあるんですけど、巨大なメスの身体に埋まり込んで、
寄生するように、オデキみたいになっているのが、チョウチンアンコウのオスなんですよ。

 このオスは、メスの身体に埋め込まれていて、すでに組織は癒着して、もう一生、離れられないんですね。
チョウチンアンコウのオスというのは、メスの身体に寄生して、そのまま一生を送るんです。