>>220
◆【『君の名は。』全体のテーマとは?】

【画像】サロンオフ会より  

 じゃあ、どんなドラマを隠したのか?
 続きの映像をこれから見てもらいます。

 テーマとストーリーの関係性についての話なんですけど。
 これも同じく2016年の9月に話した映像です。
 それでは、よろしくお願いします。

(録画映像開始)https://epbot.site/img/semi/nico_190630_03146.jpg

 テーマとストーリーの関係なんですけど。

 今回、映画の中に「結ぶ」という言葉が出てきています。
 「結ぶ」という言葉とか、あと組紐という、細かい糸を撚って紐にするというのが、何回か出て来るんですけど。

 お話としては、「1つの円環の中で、同じことが繰り返され、いろんな時間軸でいろんな事件が組み変わることで、
話の糸を紡いでいく」というふうになっています。
 つまり、「結ぶ」、「結う」というのが、お話全体のテーマとして流れているんです。

 主人公の三葉と瀧は「お互いの身体が入れ替わる」という体験をするんですけど。
 三葉が、それをお婆ちゃんに話した時、お婆ちゃんが「ああ、身体が入れ替わる、そんなこと私にもあった気がするわ」と言うんです。
それどころか「お前のお母さんにもあったんじゃなかったっけ?」と言うシーンがあるんですけど。

 つまり、この神主の一族……三葉は神主の一族なんですけど。
神主の一族は、昔から思春期になると、どこかの誰かと身体が入れ替わったみたいなんですよね。
 こういう話が、ごく自然に入ってくるんです。

 「三葉と瀧は身体が入れ替わるんですけど、お婆さんも誰かと入れ替わったことがある。お母さんも誰かと入れ替わったらしい」と。
 でも、劇中では、お母さんが誰と入れ替わったかが、描かれてないんですね。
 ただ、描かれてないだけで、わかるようになっている。これ、実は三葉のお父さんなんですね。

 だからこそ、町長であるお父さんのところに、三葉が「みんなを避難させなければいけない!」と言いに行った時、
その理由を告げるまでは、お父さんは全く納得しなかったんです。でも、三葉が「自分は身体が入れ替わったんだ」
ということを言った瞬間に、お父さんは彼女の言葉を信じたんです。