>>215
 瀧と三葉という2人の高校生は、その消えてしまった村の、クレーターの端で、黄昏時、逢魔が時に出会うんですね。
 その時間だけ奇跡が起こって、時間を超えて2人は出会う。お互いに「あなたのことは絶対に忘れない」と言い合って、
「みんなを助けよう」と決意する。

 しかし、確かに覚えていたはずなのに、2人共、記憶がどんどん薄れて行くんですね。
絶対に忘れたくない、覚えておきたいことなのに、どんどん忘れてしまう。

 それでも、肝心なことだけは覚えていて、「このままでは村が滅びる。
だから何とかして、村の人を騙してでもいいから、避難させなきゃいけない!」ということで、
女子高生の三葉は、学校の放送部から嘘の避難放送をして、村の人を動かそうとするんです。
でも、村の人は動いてくれない。

 そこで、村長だったか町長だったかをやっている三葉のお父さんに、話をしに行って、
「最初は信じてもらえなかったのに、最後は三葉の熱意がなぜか通じたような形になって、
協力してくれて、みんな助かる」という話になる。

 で、最後、もう、それから10年後くらいに、2人は東京の街で偶然出会うんです。
 それまで、2人共「何かが足りない。自分は何かを探しているはずだ。
何か思い出せなかったことがあったはずだ」という思いを抱きながら、10年くらい生きてたんです。
だって、お互い、もう名前も何も覚えていない状態ですから。

 そんな中、東京の街で偶然、出会った2人は、お互い振り返って、「君の名は?」というのを聞き合う。再会できたわけです。
 その時に、「2人共、なぜか、すれ違った時から涙が止まらなかったから、わかった」という話になっているんですね。

 「この構造、どこかで見たことあるな」と思ったんですよ。
 何かというと、少年サンデー原作版の『Gu-Guガンモ』なんですね。

 『Gu-Guガンモ』のメインキャラクター「ガンモ」というのは、高い空が飛べない鳥だったんですけど、
最終回の間際になって、やっと飛べるようになった。

そしたら、ガンモが空を飛ぶ時、なぜか、その周りで、いろんな鳥が一緒に飛ぶようになるんですね。
 その時から、話が「あれ? ガンモって、ダメな鳥だと思ったけど、鳥の王様みたいだな」というふうになるんです。
 そしたら、夜中に変な使者が来て、ガンモに「あなたは実は鳳凰なんです」と告げるんですね。

 ガンモって、ドラえもんみたいな、コーヒーを飲んだら酔っ払う、人間の言葉を喋るキャラクターなんですよ。
 でも、この姿は卵体という、巨大な卵だったんですね。卵に手足がついて羽がついた存在。
だから、ちょっと飛べて話せるだけだったんですけど。その中には、何十匹もの鳳凰の子供が入っている。