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◆【『ガンダム THE ORIGIN』から考える「SFとファンタジーの違い」】

【画像】スタジオから  https://epbot.site/img/semi/nico_190630_01043.jpg

 じゃあ次は、『ガンダム THE ORIGIN』ですね(笑)。
 もう、毎週毎週、話してる『ガンダム THE ORIGIN』の話をちょいとします。

 あのね、せっかくYouTubeライブでも配信してるから話しますけど。
 このニコ生ゼミの無料枠というのは、分割してYouTubeでも公開しているんですね。
 で、YouTubeにはコメント欄というのがあって、その動画に対するコメントが付きます。
僕、そういうコメントには、だいたい目を通しているんですけど。

 先週、『ガンダム THE ORIGIN』に関して「月面都市の中にあるアナハイム・エレクトロニクスのシーンの、
6分の1重力の表現が、まあ、ひでえよ」という話をしたんですよ。

 そしたら、YouTubeのコメントとしてわりと多かったのが、「いや、あの時代だから人工重力があるんだろ?」とか、
「巨大ロボットを作れるほどのアナハイム・エレクトロニクスの技術があれば、宇宙に移民してから70年も経ってるんだから
、人口重力くらい当たり前だろ」という意見。
 これを読んで、僕、ちょっと複雑な気持ちになっちゃったんですよね。

 まず、SFとファンタジーの違いから、説明させてください。

 SFというのは「科学的なお約束に沿って展開するもの」なんですよ。
 例えば、「100年以内に巨大ロボット」はアリなんだけど、「100年以内に重力制御」はナシなんですね。
 まあ、『銀河英雄伝説』みたいな千年以上の遠未来だったら、重力制御もアリなんですけど。

 この「アリ / ナシ」というのは、「技術的に無理なのか? 科学的にまだ無理なのか?」で決まります。
 例えば、巨大ロボットは単に技術的に無理なんですよ。つまり、技術が追いつけば、巨大ロボットは作れるんですけど。
 でも、人間みたいに恋愛するロボットというのは、科学的にまだ無理なんですね。
 この技術的に無理と、科学的に無理というのには、ちょっと温度差があるんです。

 こういう、僕が今言った面倒くさい制限とか約束事を、あえて面白がって守って、
そういうルールの中で遊ぼうというのがSFなんですよ。

 それに対して、こういった制限が面倒くさくなって、
それを外してもっと自由に遊ぼうというのがファンタジーなんです。