>>920
 その中には、ものすごいお金を掛けて、例えば「1千万円掛けて〇〇を買い占めてみた」
というような3分の動画を投稿する人もいれば、全くお金を掛けずに、
近所を撮ったり自分が喋っているのを撮ったりするだけの、10分とか15分の動画を投稿する人もいる。

 「そんな中から、どんな人が出てくるのかわからない」。
こういうのが、アニメとか実写とかマンガ全ての分野にやってくると思ってるんですね。

 実際、「全てがYouTubeに近づいていく」という意味では、例えば、2時間の映画でどんなにヒットを出したとしても、
「ヒカキンの動画を毎日3分見る人が100万人いる」という現状の方が、動員数としてはすごいわけですよね。
 それを毎日見ているわけですから。

 僕は、この岡田斗司夫ゼミというのを、毎週90分から120分やってます。
ガンダム講座も、前説後説を入れたら、だいたい毎週45分やっている。
 つまり、毎週165分。1年で137時間。僕は新作の動画を延々と提供してるんですね。

 この「1年間で137時間」というのは何かというと、アニメ1話を24分で換算すると343話分、
僕は皆さんに動画を提供しているんですよ。これ、1クール12話のアニメとして換算したら、
28シーズン分も提供しているんです。

 これは全盛期の『ガンダム』や『イデオン』をやっていた時の富野さんよりももちろん多いし、
それどころか、現在のサンライズや東映動画より動画生産量が多いんですよ。「僕個人で」ですよ?

 さらに、そのうち半分以上を、無料のYouTubeで公開しています。

 同じように、毎日5分の動画をアップしているYouTuberたちも、1年続ければ年に30時間の動画を提供していることになる。
 テレビシリーズのアニメに換算したら76話分を、1人1人のYouTuberが、この世界に動画として生み出してるわけですね。

 これは「どのYouTuberも全盛期のジブリの映像生産量の10倍くらいをやっている」ということになるんですよ。
 こと娯楽産業に関して、この無料でどんどん提供するという流れは止まらない。

 大きな流れでは、そんな無料の中から「じゃあ、ここから先は有料です」という、
今、僕がやっているような形になって行ってしまう。

ビッグバジェットの映画というのは「そういうので成功してから持っていくようなもの」になると思うんですね。

 だから、ひょっとしたら僕も、5年後くらいの将来、いきなり予算3億を掛けた岡田斗司夫ゼミというのを、
イタリアのチネチッタ辺りの映画撮影所でローマの街を再現した上でやるかもわかりません(笑)。

(続きはアーカイブサイトでご覧ください)

2019年6月12日
「次世代の映像産業から生まれるヒット作品は、どんなものになる?」
2019年5月26日号ニコ生ゼミ テキスト全文公開
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51556346.html