>>833
 そんな事を言うと「『女王陛下のお気に入り』は歴史モノだから、リアリティがあって当たり前だ!」と言う人もいると思うんです。
 「『アリータ』は架空世界だから不利だ」と。

 でも、そんな事は無いんですよ。
 架空世界でも、ちゃんとリアリティって出せるんですよね。

 それのいい例が『翔んで埼玉』という映画。
 これは魔夜峰央のマンガを原作にしたヘンテコな映画なんですよ。

 この映画は架空の世界で、かなりデッチ上げの世界なんですけども、美術とか衣装セットがすごくいいんですね。
 『女王陛下』みたいに実在する世界じゃないし、予算も1/100ぐらいなんですよ。

 でも、凄く良く出来ているんですね。

 (中略)

 だから「架空だから密度が出せない」とか「架空だからリアリティが出せない」というのは違うんですよね。

 『アリータ: バトル・エンジェル』は、軽いアクション映画としては85点ぐらいなんですけども、
やっぱり僕はSF映画としては70点ぐらいかなと。

 パフォーマンス・キャプチャーに関しては、多分キャメロンの次回作の『アバター』の
2から5の開発のための映画というポジションじゃないかなと思いました。

 やっぱり結果的にディスってしまったんですけども。

 僕が『アリータ』をダメかなぁと思ったのは、この作品はアクション映画としては85点なんですけども、
僕はアクション映画はあまり好きじゃないんですね。

 SF映画として見に行ってしまったから、70点ぐらいだった。

 まぁ、5点満点で4点を超えたら誰にでも勧めるんですけども、3.9か3.8ぐらいだから
「好きな人は見にいってください」というような感じになりました。

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この記事は『岡田斗司夫ニコ生ゼミ』2月24日分(#270)から一部抜粋してお届けしました。