2019年3月2日

【岡田斗司夫アーカイブ】アニメは芸術か工芸か?
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51554203.html

2017/06/18放送のニコ生ゼミより
##アニメを芸術として語ることの問題

 「アニメベスト10を選ぶ」って企画をメジャーどころがやる場合、どうしても「芸術」として語っちゃうんだよね。

 この芸術として語る時の問題点を説明するためには、「芸術とは何か?」っていう話をしなくちゃいけないんだけども。

 僕の芸術の定義はもうシンプルで、僕は「表現自体が目的化した工芸」を芸術と呼んでるんだ。
つまり、本来、芸術なんてものは存在せず、あるのは「工芸」だけだったんだよ。

 「絵画というものは存在しなかった」と言うのも変だけど、例えば、もともとは「地味な襖を飾り立てるため」
という用途で描かれていた絵が、いつの間にかに「絵単体に値打ちがある」ということになっちゃったわけだよね。
それが芸術の始まりだと思うんだけども。

他にも、前回の放送で話した通り、ゴシック教会の壁に描いてある宗教画も、
最初は「キリスト教の教義や物語をわかりやすく理解させるため」のもの。
それが独立したものが絵画だと考えてるんだ。

 これは僕の好きな『ムーミンパパの思い出』っていう本なんだけども、
この表紙は、作者のトーバ・ヤンソン自身が描いた絵なんだよ。

(ムーミンハ?ハ?の思い出)
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/4/b/4bd80ba6.png

 これも、今では「アート」ということになってるんだけども、もともとは「このシーンはこんな感じなんだ」と、
ストーリーを説明するために描いた絵に過ぎないんだ。それが独立してやっぱり絵画芸術ということになっている。