>>939
 ここで行われたパソコン面接というのは、ビリーもニックも経験したことがなかった面接形式ですね。
 これは2013年に公開された映画だから、スマホも普及してるんですけども。
 パソコンのカメラがありますよね。あれで、お互いの顔が見えるように、いわゆるskypeの映像通話みたいな形で面接をするんです。
 で、「5セント玉くらいの大きさに縮んで、ミキサーの中に放り込まれた。どうする?」ということを聞かれるわけなんです。

 これ、何のためにやるのかというと、こういった質問に対して喋りっぱなしで答えなければいけないんですよね。
「じっくり考えた上で、1つの答えを出す」という回答ではなく、思考プロセスそのものを全て計られるんです。

 例えば、こういう問題を出された時に、やっぱり「5セント玉くらいのサイズということは、厚みもそれくらいだろうし、
ミキサーの刃はちょっと浮いたところにあるはずだから、ミキサーの底で伏せていれば、刃がぐるぐる周っても平気だろう」
みたいに考えちゃうんですけど。

 そう答えると「でも、それだったら君の体は段々、刃の方に引き寄せられるよ?」とか、
「底に近い部分でミキサーの刃が周ってたらどうするの?」みたいなことを言われて、
安直なとんち的な回答が出来ないように追い込まれていくんですね。
・・・
 では、ビリーとニックは、これに対してどう答えたのか?
 2人がミキサー問題に対して出した回答は、この「そのまま寝てればいい」だったんですね。

 もちろん、ビリーが「そのまま寝てればいいよ」と言うと、Googleの面接官は
「それじゃあダメだ。ミキサーは永遠に止まらないよ。どうするの?」と聞いてくるんです。

 すると、ビリーはカッとなって「おいおい。それはないよ。俺達はセールスマンだぜ?
ミキサーだって売ったことがある」と怒り出すんです。

 ニックもフォローするように「現在、売られている中で世界一のミキサーはドイツのブラウン社製のものですが、
そのミキサーでも11時間も連続で回せば、絶対にモーターが焼けて止まります」と言うんですよね。
 で、ビリーは「そんなことも知らないのか!?」と、画面に向かって怒り出すんですよ(笑)。

 Googleの面接官はびっくりしてしまいます。だって、そういう現実的な反論をされたのは初めてだったからなんです。
 そんな仮想問題に慣れ切っていた面接官に対して「世界中に今あるどんなミキサーも、11時間ぶん回したら壊れるよ!
俺達、それを売ってたことがあるけど、お前らは売ったことがあるのか?」と、ビリーは問いかけてしまったんです。
 なので、Googleの面接官はビックリしちゃって、面接はそこまでになったんですけど。
・・・