>>432
 しかしクロちゃんは、あっという間に打ち解けて、次の日にさっそくバーベキューなんかをしたら、
女の子たちはジャグジーがあるので水着に着替えてっていうのを、ゲストが大笑いして見ているって番組なんですけども。

 ここではクロちゃんは完全な恋愛モンスターぶりを発揮してですね。
 たとえば自己紹介では女の子の話しか聞かないと。
 これは凄かったです。
 本当に。

 女の子が話をしているときは食いぎみに聞いて、男が自己紹介を始めると凄く気が無くて、
男が喋った瞬間に、いきなりもうスパゲティを食べ出すんですね(笑)。
 それで、「今、彼氏がいるかどうか?」だけを最初に必死で聞こうとすると。

 それで女の子は三人いるんですけども。
 バーベキューで、一番 若い子と、二番目に若い子を、それぞれテントに誘って、
それぞれに「君が一番好きだよ」とマジで口説いて告白して手を握るっていうですね。

 そんなふうに、ここまで見ていると「クロちゃんというモンスターがいて、
普通のキラキラ女子の中に入っているから、キラキラ女子がそれに振り回される」、
「それがモンスターハウス」というふうに見えるんですけども。

 いやいや、まさか。
 『水曜日のダウンタウン』という番組は、そんなヌルイ事をしないんですよ。
・・・
  『モンスターハウス』と言ってるからには、そういう普通の事ではないと思うんです。
 僕が思うモンスターハウス』の正体なんですけども、構造は三つあります。

 まずオチは、クロちゃん以外の5人全員がモンスター。
 いわゆる仕掛け人で、クロちゃんを、いかに自然に騙すかと。
 彼らが総掛かりでクロちゃんを騙して、これが“本当の恋愛バラエティ”だと思わせると。

 クロちゃんは『モンスターハウス』というタイトルが分かっていますから、
なのでクロちゃんは「自分の役割はモンスターだ」というふうに、その瞬間に分かっているハズなんですね。

 なので、すでに第一話の番組の中で、必要以上にクズな男を彼は演じ始めています。
 それでクズな男を演じ始めていて、他の出演者はそれを計算の上で、
「そういうクロちゃんでも、実は案外 純真なところがあって素敵だ」ってふうに持ち上げてですね。

 全部 仕掛け人なんですけども、番組内の恋愛にクロちゃんを本気にさせるっていうのが他の五人の役割なんだと。
 つまり、他の五人がエゲつないモンスターなんですけどね。

 もう一つ。
 第一の悪意、第二の悪意ってあるんですけども。
 これは、「すべての恋愛バラエティに共通する嘘くささを暴く」っていう影の企画意図が見え隠れしていてエゲつないんですね。