2018年10月17日07:00
『王立宇宙軍』で作ろうとした“完璧な異世界”3
「文字の設定は全体の数百分の1に過ぎない」
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51551317.html

文字というのは、まず最初に、言い伝えを図案化した紋章があり、その紋章から象形文字が生まれて、
その象形文字から毛筆文字が生まれて、次に活字が生まれる、といった時代ごとの変化があります。

 これを更に応用するとどうなるのかというと。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/b/7/b70c928c.png

 これも、八王子で展示されている資料なんですけど。
『王立』に出てきた“デジタル文字”の表ですね。王立の世界の文字を、
更にデジタル機器が再現するためにドットに起こされた文字です。

 ロケット発射直前の風景として“ニキシー管”という真空管の中に細いネオンが入っていて、
これの一部が光ったりすることで数字を表すデジタル機器を見たことがある人もいるでしょう。こういう部分に使いました。

(ニキシー管) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/f/d/fd802b71.png

 あとは、白黒の丸いモニターにロケットが映ってて、発射までのカウントダウンの数字が表示されているんですけど、
こういう部分での数字として、このようなデジタル数字を使っています。

(カウントタ?ウンの数字) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/5/c/5cc5d54f.png
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 こんなふうに、異世界の文字を考える時というのは、1つの言語やパターンを作り込んだだけで安心するのは甘いんですよね。
 日本語でも、漢字、平仮名、カタカナ、数字、アルファベットと、最低でも5つのパターンがあるんです。

 僕らの言語体系では「カタカナを使って表されるものは外来語である」とか、
もしくは「アルファベットそのものを使って表現すると、ネイティブなニュアンスが強めである」
というような隠れた意味がありますよね。

 『王立』という映画の世界の文字というのは、こういった、言語というものが本質的に持っている“多様さ”まで含めて考えているんです。

 「1つの文字体系が千年くらいの歴史の中で、象形文字から毛筆文字、活字、さらにはデジタル文字というふうに移り変わっていった」
ということを、1つの画面内、1つのシーン内で、色々なパターンで見せることで表現しようとしてるんですね。
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