>>973
 今、八王子の夢美術館というところで「王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメが出来るまで」という展示会をやっています。
 この展示会、八王子まで電車で1時間以内くらいで行ける人は、行った方がいいと思いますよ。
 展示会の会場自体が、松任谷由実の実家の荒井呉服店の隣なので、会場に行くついでに見学できますし。
この荒井呉服店の前では、大体、誰かが写真を撮ってます。

 この展示会では、かなり昔の細かい設定資料も展示されていて、見応えがあります。
 特に、いきなり行くんじゃなくて、今日の話を聞いてから行ったら、もう見え方が全く違いますから、ご期待ください。
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 この『王立宇宙軍 オネアミスの翼』という映画を作るに当たって、僕らは“完全な異世界感の構築”というのを目指しました。
まあ、完璧な異世界感と言ってもいいですね。
 では、そんな完全な異世界感というのはどういうことか? 例えば“文字”です。

 これは、『メアリと魔女の花』に出てくる文字です。

(パネルを見せる)
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/e/0/e09a9c01.png

 ファンタジー映画の多くには、その物語世界の中でのみ使われる“異世界文字”というのが出てきます。
 『メアリと魔女の花』では、メアリが偶然手にした魔法の本の表紙に、模様みたいに独自の文字が書いてありますが、
これが異世界文字なわけですね。

 これは、後に大学に行った時に、大学の先生が黒板に板書している文字です。
 他にも、図鑑のような本を開く描写の中でも、図案の周りの説明文っぽいところにグニャグニャっと、
異世界文字が描いてあります。これらは、かなり絵の上手い人が描いているので“それっぽい文字”に見えるんですけども。

 まあ、異世界文字というのは、こういうパターンで作られるものが多いです。
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 『メアリと魔女の花』というのは劇場作品だから、予算も製作期間もたっぷりあるんですけど。
 一方で、最近は予算が貧困なテレビアニメの異世界モノでも、オリジナルの文字を作ろうというところが多く現れています。

 例えば、これは『異世界食堂』のワンシーンなんですけど、
お店の黒板に「本日の日替わりメニュー」というのが異世界文字で書いてあるんです。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/c/0/c0ccad15.png

 まあ、なかなか複雑なオリジナルの文字のようにも見えるんですけども、横に倒して見たらわかる通り
「ホンジツノヒガワリ ホカヨリモオモトメヤスクナッテオリマス」
というカタカナを、そのまま90度回転させただけなんですよね。
 一瞬だけ、まじめに「これって楔文字か!?」とか思った自分が馬鹿みたいに見えるという(笑)。

 まあ、こういう、ちょっと面白いパターンもあります。
 俺、こんなシンプルな変換をやったテレビアニメを見るのは久しぶりで、ちょっとビックリしたんですけど。
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