2018年09月21日07:00
【岡田斗司夫ゼミ室通信】ハモンの死に場所 『機動戦士ガンダム』より
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51550567.html

マゼラ・トップの中のハモン、真正面のシーンです。

     画像  http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/3/1/31dd58ef.png

タチ中尉の作戦注意を思い出しています。
「第一波の攻撃を敵の最も弱いと思われるところにかけます。」

この部分ですね、矢印指してる所。

「他には一切目を向けずただ一点を抜く。我々の生還は不確実でありますが、間違いなく木馬を撃破することが出来ます。」

この「我々の生還は不確実でありますが」
これは、軍人の建前っぽい用語です。
”我々はほとんど生き残ることは出来ませんが、間違いなくホワイトベースを落とすことが出来る”という意味です。

そのタチ中尉の説明を思い出してるんですね。

これが思い出しているハモンの顔です。

     画像 http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/6/4/64be2206.png

ほんの少し目が開いて、口の歯が見えてるのがわかりますか?
タチの言葉を思い浮かべて、ほんの少しだけ眉が下がって、歯を見せている。もちろん笑っているという表現です。

ハモン自身も笑っていることを意識してないです。
意識していないほどの、かすかな微笑みです。

前回?明した通り、この話は、ガルマに対する「イセリナ、恋のあと」のイセリナの仇討ちと、
一瞬、同じ構造のエピソードに思えます。好きな男が殺された、だから憎い仇を討ちに行く。

仇討ちだから、自分と一緒に死んでくれる男に対して、イセリナは一切笑顔を見せない。
最後の最後、アムロを追い詰め、ホワイトベースを追い詰めるまで、
ずーっと気を張った表情で、一瞬の笑顔も見せないままに死んでいくんです。

もし、ハモンにとっても、これがランバ・ラルのための仇討ちだとしたら、本来、笑顔は見せないはずです。
でも、ハモンは笑ってます。