>>561
 最後に橘さんはこう書いています。

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 インターネットの登場で、弱い繋がりから生じる「評価」を可視化出来るようにもなりました。
 これが「評価経済社会」と呼ばれるもので、社会資本を評価市場に投資して、「幸福」という富を得ているともいえます。

 3つの資本=資産を一体として捉える「幸福の統一理論」を次のようにまとめることも出来るでしょう。

1.金融資産は分散投資する。

2.人的資本は好きなことに集中投資する。

3.社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する。

――――――

 「人的資産は好きなことに集中投資する」というのは何かというと。

 僕でいえば、「本を読みたい!」とか、「模型を作りたい!」とか、「旅行に行きたい!」とか、
やりたいことはいろいろあるんですけど。
「自分の仕事はニコ生だ! 模型を作ることも、本を読むことも、旅行することも、すべてニコ生のためにやる!」
というふうに集中投資をした方がいい、ということですね。

 その意味では、僕みたいな生き方をしていれば、橘さんの言っていることはよくわかるんですけど、
これが果たして万人に通用するやり方かどうかということに関しては、僕は「うーん?」と思っているので、
「軽く流すだけにします」と言いました。

 そして、社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散するというわけです。
 「こうやって頑丈な土台を作った後で、それぞれが自由な選択で、幸福な人生という家を建てればよい」ということで。
意外な場所で“評価経済社会”という言葉が出てきましたね(笑)。

 面白い本なので、橘先生の『幸福の「資本」論』、みなさんも、ぜひ読んでみてください。
 すごく面白いので、いずれまた、別の形で取り上げるかもしれません。
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この記事は『岡田斗司夫ニコ生ゼミ』8月19日分(#244)から一部抜粋してお届けしました。