岡田斗司夫プレミアムブロマガ
「幻となった細田守版『ハウルの動く城』」
2018/8/20 7:00

【幻となった「細田守版ハウル」】

 もともと、『ハウルの動く城』というのは、細田守初監督作品として作られるはずだったんですよね。
 その「細田版ハウル」のコンテというのが、いくつか残っています。

(パネルを見せる)

 ここには「Aパート」と書いてあるんですけど、実は、この細田版のハウルの絵コンテは、
全体の3分の2くらいまで完成してたそうです。

 ところが、そこまで進んでいた段階で……ここが、よくわからないところなんですけど。
細田さん本人が言うには「降ろされた」と言うし、宮崎駿が言うには「スタッフが勝手に解散しやがった」言う。
鈴木さんに至っては、言葉を濁すという、よく事情がわからない中で、細田版ハウルの製作は終わってしまいます。

 僕はやっぱり、この細田版のハウルというのがどんなものだったのか興味があったので、
残っているコンテとかを引き伸ばしてみたんですけど。

(パネルを見せる)

 細田版では、舞台が現代だったんですよね。現代の車がソフィーの店の前に停まっています。
 そして、ソフィーが「メガネっ娘」なんですね。「仕事をしてる最中はメガネをかけていて、
あれこれ自分の生き方に悩んでいる」みたいな描写があるんですよ。

 「これはこれで悪くない」というか、「案外、舞台を現代にした方が面白かったかもしれないな」って思うんですよね。