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リュウが行った後、ブライトとミライが、ハンガーで本音を語りあうシーンが入ります。

   画像 http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/b/9/b99f1600.png

「ハヤトもあれではっきりした奴だしな。」と言うブライト。
「あたし達、アムロのことをそんなに贔屓にしてたのかしら?」と訊くミライに、
「みんながひとつ、考え落ちしてたのさ。」とブライトが答えます。

「考え落ち?」と聞き返すミライ。
「アムロがいない間、指揮者としての僕はひどく不安だったってこと。」と言うブライトに、
「不安?」とミライがまた聞きかえします。

これは富野演出でよくやる手法ですね。
相手の言葉尻の同じ単語を繰り返すと言う、まるでカウンセラーみたいな聞き方です。
そうすることで、視聴者にとって、今、何の話をしているのかが、はっきりわかる。

「みんなが考え落ちをしてる。」っていうブライトにミライが、「考え落ち?」と聞き返す。
「考え落ち」ってちょっと難しい言葉だから、ミライが聞き直すことで、
視聴者の注意を引き、わかりやすくします。

「指揮者としての僕は、不安だった。」とブライト。
「不安?」とまた、ミライが聞き返す。

「君も星回りのいい女性だと思っている。しかしアムロだ。あいつがいなくなった時感じた不安というのは、
これは絶大だ。一体何なんだろうな?」とブライトがようやっとここで本音を話します。

カイとかハヤトは、ブライトがアムロを贔屓したから不安になって出ていったわけです。
ところがそれが本当に不安の原因だっただろうか?。

それぞれが考えている自分の”表面的な”動機とは違って、その奥にもう1つ隠れている動機があるだろうと、
ブライトは指摘してるんですね。
それが考え落ちです。

アムロがいなくなった時の不安が、ブライトにはとても大きかった。
だからブライトはアムロにキツくあたって独房に入れと言ったのです。
今、アムロに対して身びいきだと思っている奴ら、あの時アムロが逃げた時に怒った奴らも同じ。

なぜそんなに怒ったのか、なぜそんなに身びいきだと思っているのかと言うと、
アムロがいなかった時にすごく不安だったから。