>>215
 手塚治虫の『火の鳥』って漫画があります。
 『COM』(コム)という雑誌で1967年に連載された漫画です。
 『2001年宇宙の旅』よりさらに昔ですね。

 これは『火の鳥』の『未来編』です。
 主人公のマコトは、世界が滅びる核戦争の後、火の鳥の呪いを受けて死ねない体になってしまった。
 それで死ねないまま、ずーっと永遠に生きていなければいけなくなったんですよね。

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 それで、ずーっと生きていかなくてはならなくなった後で、彼はもう一人だけ生きてる人間を見つけるんですよ。
 すみません。
 これは見開きでコマが細かいんですけども、このシーンを描く時だけ手塚治虫は、こういうコマ進行をしてるんです。

http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/0/7/07b68402.png

 一人だけ冷凍睡眠をしている人を見つけたと。
 それでこの人は五千年後に目覚めると。

 それで「アナタはどんな人なんだろう?」とか「本当に生きててくれるんだろうか?」
とか思いながら、彼は五千年待つんですね。

 それで五千年の間にいろいろな事があって、死ねないんだけども肉体だけは段々と老化していってですね。
 それでも死ねなくて五千年経った。

 「五千年経ったけど、あなたは起きてくれない」と。

 それで「レーザードリルを持ってきたから、これで開けるよ」といってガコンと開けたら
「しまった」「こなごなに くだけている」っていうですね。

 何か開け方が悪かったのか、もう中で死んでいたのか分からないんだけども。
 何かこの辺の感じっていうか、流れっていうのが、実はすごくエヴァの臭いがするんですよね。

 この『火の鳥』は1967年に描かれたんですけども。
 実は、僕にしても庵野監督にしても、青春時代に『マンガ少年』というのが朝日ソノラマで創刊されて、
そこで『火の鳥』っていうのが凄く出たんです。