>>585
 だから実は、この後のドイツのV2号とかは、“ターボポンプ”というポンプで燃料を運んで燃焼させるという事で進化してるんですけども。
 ホリエモンのロケットは、あえてこのゴダードの時代にまで歴史を退化させてるんですよ。
 ここら辺が、テレビとかの報道ではやらない。

 まぁ、どうやっても「ロケットってハイテクだろう」というふうに、みんな思い込んでるんですけども、違うんですね。

 ホリエモンたちがやろうとしてるのは、あえてロケット技術を退化させて、枯れた技術を簡単に扱う事によって、すごいコストダウンしようとしてる。

 その代わり、この燃料のインジェクターの形式とかは、衝突型インジェクタっていうんですけども、もう最新のバリバリの形でやっていこうとなってるんですけどね。

 まぁ、「軽い衛星を、格安で打ち上げるため」ということで、コスト削減の為に部品なんかは民製品をガンガン使っていると。

 民製品で充分なんですよね。

 中国とかロシアのミサイルとか、兵器で一番大事な誘導兵器の誘導部品とかは、秋葉原で買った部品をバンバン使ってますんでですね(笑)。

 実は日本の民製品を使っていれば、そこらの国の軍用品よりは、ずっと性能がいいと。

 で、メディアでは「爆発したから、もうダメ」とかって言われているんですけども、実は正直 液体ロケットなんて爆発して当たり前なんですね。

 さっき言ったドイツの最初の液体ロケット “V2号ロケット” なんて、最初の50発ぐらい 全部 爆発したんですよ。
 その爆発でデータが取れたと。

 それで実用化した後もV2号ロケットをロンドンに向かって打ち込んだんですけども、打ち込んだのが1100発ぐらいなんですけども、
無事に届いたのが500発ぐらいしかないんですよ。

 半分以上は途中で落ちてるんですね。
 ただ、この失敗があったおかげで、当時のドイツは世界で最先端を行けたわけです。

 ロケット開発では、失敗の回数=経験値みたいなもんだと。
 本当に模擬試験を受けている回数みたいなもんだと思ってくれていいんです。

 それで多分、今回 爆発したのも、「発射4秒で推力が足りなくなって、燃焼圧力が消えた」って言ってますから、もう実に簡単な話。

 この “エタノールマニホールド” か、 “液体酸素マニホールド” っていうエンジンに繋がるパイプ・ジョイント部分、
もしくは中のインジェクターあたりぐらいしか原因が考えられないんですね。

 または、このヘリウム・窒素ガスの圧力がどこかから漏れてっていう可能性もあるんですけども、
ここのガスが漏れれば内部のセンサーで検知されるはずなんですね。

 なので、「急にエンジンの燃焼圧力が消えてしまった」という事は、もう ここら辺のエンジンのソケット周りぐらいしか考える所がないので。