>>555
 正直言うと、この時代にティラノサウルスが食べていたであろう、トリケラトプスみたいな草食恐竜って、
軒並みティラノサウルスよりもメチャクチャ速いんですよ。なので、走って追いかけたとしても、絶対に追いつけないんですね。

 じゃあ、どうやって捕食してたのかというと、実はティラノサウルスって“頭脳戦”が得意だったと言われているんですよ。

(フィギュアを見せる、ティラノサウルスの目)
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/6/c/6cff2270.png

 これを見てもわかる通り、正面から見ても、両目共、見えてますよね。
つまり、物を立体視することが出来るんです。
そして、このフィギュアでは強そうに見せるために鼻梁の幅を広く作っているんですけど、
実際はこの幅がもっと狭くて、脳がわりと巨大なんです。

 脳が巨大で立体視も出来るということで、「かなり頭が良かったのではないのか?」というのが、
現代のティラノサウルス像なんです。

 なので、「草食恐竜がいるところにギリギリまで隠れてて、油断しているところにひょっこり出てきて、ガブッと食べる」というのが、
ティラノサウルスの狩りのやり方であって、どちらかというと、オオカミとかそういう生物に近かったのではないかと言われてます。
 頭脳戦ですね、本当に。
・・・
 もう1つ、『ジュラシック・パーク』シリーズで描かれないこととしては、ティラノサウルスというのは、
育児をするどころか、こいつらは“共食い”が大好きです。
 「草食恐竜が見つからなかったら、お互いを食う」という悪魔のような生物なんですよね(笑)。

 あとは、これも映画では描けないんでしょうけども。
 ティラノサウルス対トリケラトプスという戦いが、映画の中によく出てくるじゃないですか。
まあ、戦っていたこと自体は本当なんですけども。

 でも、映画なんかでよくあるように、お互い正面から対峙した場合、ほぼティラノには勝ち目がないんですよ。
 というのも、トリケラトプスのような四足の草食恐竜って、さっきも言ったように、移動がメチャクチャ速いんですよ。
なので、正面からぶつかると、ほぼ確実に角で突き刺されて負けてしまうんですね。

 でも、「ティラノサウルスがトリケラトプスを食った」という化石はいくらでも残っているんです。
 では、どうやってティラノがトリケラトプスに勝つのかというと、さっきも言ったように、
森の茂みの中からひょっこり出てきて、いきなり首の付根に噛み付くわけですね。

 ティラノサウルスって、トリケラトプスの首の付根にある靭帯とか柔らかい腱が、もう大好きなんですよ。
 なので、トリケラトプスを食べる時、ティラノサウルスは、まず首の付根に噛み付いて殺します。
その後、鼻の頭の辺りをガッと噛んで、ものすごい力で首を引きちぎります。
そして、その後で、胴体の方には見向きもせずに、ちぎり取った首の内側を
ガツガツと美味しく食べるということをよくやっていたみたいです。

 この、首が引きちぎられたトリケラトプスの化石というのが、結構、見つかっているんですよね。
 まあ、でも、こんな凄惨なシーンは、しばらくは映画ではやらないだろうなと思います(笑)。
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