岡田斗司夫プレミアムブロマガ
「1960年代にISの登場を予見した、小澤さとる『青の6号』」
2018/7/14 7:00

http://ch.ni covideo.jp/okadatoshio-archive/blomaga/ar1587908

【グローバル企業とダボス会議、アメリカがイスラム国に手を打てない理由】

 これは、小澤さとるの『青の6号』っていう、昭和の時代のマンガのワンシーンです。
 「知ってるか? 君たちは、マックスを?」
 「知ってますよ。マックスのテロ団体は、世界中に組織を広げている」と。
 ところが最近は、タダのテロ団体ではなくなっていると。
「始めは殺人や麻薬を動かして資金を稼いでいたのが、
この数年の間に強力なスポンサーが集まって、相当の金を動かすようになった」
 これね、完全に今のイスラム国の出現を預言してるんですね。

 これ、1960年代のマンガなんだけども、予言してると。
 次が、もう次の段階も予言してるの。「今や強力な経済団体に成り上がった」と。
 このマックスの会員数は、これ、面白いよね、会員数なんだ。500万とも1000万とも言われて、
国連に代表を送り込んで、マックスは世界中の通貨の80分の1を動かして。

 そのマックスを、世界初の散在国家だよな。
 「バラバラの国家として、認めろ! という要求まで出しよった!」っていうセリフがあると。
 これは覚えてる人いるかもわかんないけども『ふしぎの海のナディア』でガーゴイルが言うセリフなんだよね。
 ガーゴイルはじつはもう既に、世界の通貨の80分の1を動かしてる。ネオ・アトランティスというのは、
国連に本当は代表を出せるが、まぁ、その当時、国連ないんだけどね。

 「世界の国家と、どこを比べても恥ずかしくない国だ」ってふうなことを言ってんだけども、
このイスラム国っていうのも、じつはその、国家としては認められないんだよね。

 他所の国にしてみたら、どうしても国家として認められないんだけども、「散在国家」という概念だよね。
 たとえば僕らが「ネット市民である」とかさ。「自分たちの国籍は、ネットだ!」っていうふうなことを言う時に
「ネット国民だ!」みたいな意識って、ちょっと持つ時あるんだけども、それと同じように
「マックスは世界の散在国家として認めろ!」っていうふうなことを言われたら、ちょっとドキッとする部分がある。

 何でイスラム国がこんなに強いのか? というのと、こちら側の端っこのほう、見てくれますか?
 「いいかね? マックスは今、世界の通貨の80分の1を動かすことが出来る。
この経済力はアメリカ・ソビエトの二大大国に次ぐ大きさである。
しかし、アメリカにもソビエトにも、2億3億という国民が、その経済力に頼っている。
その為に両国とも膨大なる予算を必要とする。我がマックスには養わねばならぬ人口は、
両国の100分の1にも満たない。従って、マックスの経済力は世界一だ」と。