2018年07月12日07:00
【岡田斗司夫ゼミ室通信】リアルロボットの真骨頂『機動戦士ガンダム』より
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51549033.html

(今までのお話)

その頃、アムロの予想通り、本当にガンキャノンがやられている。

ガンキャノンの他にガンタンクも出動しているが、”グフとザクとの連携”で、敵わない。

ホワイトベースの方はチームがバラバラで弱いのに対し、ランバ・ラルは
モビールスーツがグフとザクの2体しかいないのに、連携プレイをちゃんとやっている。だから強い。
それがわかるような演出になっている。
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「ステッチ、俺が飛び出す。その間にタンクをやれ」ってランバ・ラルが指示を出すシーンが入って、連携が描かれます。

グフが、このままゴーっと飛び出して、空を飛び、上空から攻撃します。
すると、ガンタンクがグフに気をとられて、一所懸命グフのみを狙って空中攻撃をしてしまう。

その時、この手前にいるステッチの操縦するザクが、ミサイルを発射します。ザクの足についているミサイルです。

構えて、「今だ」というステッチのセリフ。

      (画像) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/6/6/66574e46.png

ここで急に、足の部分で爆発があったかと思うと、そのままミサイルがグーンと伸びていくというシーンです。
この一連の流れに注目してください。

      (画像) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/8/f/8f432966.png

ガンダムは、よく”リアルロボット”と言われるんですけども、僕はこのシーンが、
リアルロボットが1番よく分かるシーンだと思っているんです。

例えば、ロボットが人間型だからと言って、わざわざ剣や銃を手に持って戦うっていうのは、バカらしいじゃないですか。

そういうバカらしいことを、富野監督は『ザンボット3』とか『無敵鋼人ダイターン3』の頃からずーっとやってたわけです。
まあ、自分でも(バカらしい、バカらしい)と思いながらスポンサーの要請でやってたんです。
それを『機動戦士ガンダム』ではちゃんと理由をつけたんですね。

この”ザクが構えて足からミサイルが発射するシーン”というのが入った瞬間、別にここの目にレンズがあって、
本当に銃を構えて撃っているわけじゃないんだとわかるんです。

ロボットの”銃を構える”という行動は、その方向に銃口を向けているだけで、
照準というのは別のところで行われているんだという理論化が行われる。

だから銃を構えているんだけども、実際に発射するのは足のミサイル弾という、
ちょっとメカ的にズレたことをやってるんですよ。