>>718
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それを姫がさらりと弾きこなしたというのは「姫が天女の生まれ変わりだ」
ということを暗示する演出だと、わたしは思いました。
「いやー、すごい。さすが高畑さん」と、感心するのと同時に、
「王朝文学を学んできた自分にはかろうじて分かったけど、一般の人には絶対分からない、
えげつない演出をするなー」と映画館でぞっとした思い出があります。
本当に高畑さんの映画はえげつないですね。そこがわりと好きですが。
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(岡田)
 ということだそうです。
 これ、『かぐや姫の物語』のメイキング本の中にも書いてありました。

 録音の時に、ミュージシャンの人が来たんですけど、そこに用意されていたのが「ソウ」だったんですよ。
いわゆる、現代でも使っている普通の琴が置いてあった。

 なので、高畑さんに、アニメの監督だから知らないんだろうと思いながら
「これね、実は違う楽器なんですよ」というふうに言ったら、
高畑さんが「そうなんですよ。これは違うんですよね。「キン」でなければ」と言ったそうなんですよ。

 「わあ、すごいな、この監督。知ってるんだ」と思って、その後、2人で相談したそうです。

 この2つの楽器の何が違うのかと言うと、現代も伝わっている「ソウ」という楽器は、
音が響きすぎる、鳴りすぎるそうなんですね。

それに比べて、かぐや姫が使っていた時代の「キン」というのは、もっとくぐもった音だそうでう。

 なので、結果、しょうがないから弦の下にタオルを何枚か敷いて、音があまり反響しないようにして、
かぐや姫が琴を鳴らすシーンを作ったそうなんですけども。