2018年6月21日 (木) 11:30
なぜ電子と紙で同じ価格なんですか? 流通、印刷代がいらない電子書籍が安くならない理由
http://originalnews.ni co/107949

 毎週日曜日夜8時から生放送中の『岡田斗司夫ゼミ』。
6月17日の放送の中で岡田斗司夫氏は、視聴者からの「なぜ、電子書籍は紙の書籍と同じ値段なのか?」という質問に対して、
その理由について解説しながら、電子書籍を安価に提供することによって日本の社会に起こり得る変化について語りました。

【なぜ電子書籍は紙の本と同じ値段なのか?】

「電子書籍が販売されていますが、電子書籍は印刷代、紙代、流通費用などがかからないのに、
書籍版と値段が同じなのはどうしてなのでしょうか?」

岡田:
 このような質問が届きました。

 これ、本当によくある質問で、過去にも、たぶん似たような質問に2年に1回くらい答えていると思うんですけど。
正直な話をすると、電子書籍というのは、紙の本に比べて、たぶん3分の1くらいの値段に出来るんですよ。

 もちろん、一般の書籍を電子化するためには編集さんなども必要だったり、いろんな事情があるんですけども。
間違いなく、3分の1くらいの値段には出来るんです。でも、そうすると、紙の本の値段が今の3倍になっちゃうんですよ。
こういうジレンマがあるんですね。

 漫画の単行本で言うと、今、500円で売っている漫画は、本来、電子書籍にしたら200円くらいがリーズナブルな値段なんです。

 でも、電子書籍を200円で売ると、例えば、少年ジャンプの単行本だったら、「電子版は200円、そのかわり紙版は2000円」
ということになってしまう。電子書籍が3分の1の値段になると、紙の本は3倍になる。ここで、ほぼ10倍の差がついちゃうんですね。

 するとどうなるのかというと、ほぼ確実に、日本中の書店が潰れる。
つまり、「なぜ電子書籍は安くならないのか?」という話を始めると、
「日本中の本屋さんが潰れるけど、それで大丈夫ですか?」という話に行き着くんです。