2018年06月20日07:00
岡田斗司夫とディズニー3
「ウォルト・ディズニーが作りたかったものとは?」
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51548568.html

 ただ、こういうカルーセル・オブ・プログレスみたいなアトラクションというのは、
今のディズニーランドには、もうないんですよね。

 今のアトラクションとかショーは、今のアニメと同じように
「セリフそのものに共感してください」という作りになっているんですよ。

 例えば、「夢を信じれば〜」とか、「夢があるから〜」とか、「愛が〜」、「家族が〜」というふうに、
登場するキャラクターが言ってることに対して、観客は客観性を捨てて没入して共感することで成立している。
そんなものばっかりになっちゃったんですよね。

 このカルーセル・オブ・プログレスというのは、実は1967年頃の作品なんですけど、
こちらの方が思想的に進んでるんですよ。なので、ここまでのあらゆるディズニーのアトラクションや
ショーというのは“精神的な退化”と言っちゃうしかないんですよね。

 「では、なぜそうなってしまったんだろうか?」というのが、今日の1つの切り口なんですよ。
・・・
 このカルーセル・オブ・プログレスって、メイキングを見たら、更にすごいんですよ。

 さっきも言ったように、このアトラクションというのは、かなり昔に作られたものなんです。
 ディズニーランドに持って行ったのは67年なんですけど、元々は1964年に行われた
“ニューヨーク万博”のアトラクションとして作られたものなんです。

 “ゼネラル・エレクトリックス”という家電メーカーから「何かアトラクションを作ってくれ」と言われた
ウォルト・ディズニーが「じゃあ、電気の素晴らしさ、家電の素晴らしさを教えるアトラクションを作りますよ」
と言って作ったものなんですね。

 ニューヨーク博というのは、かなりすごい博覧会だったんですけども、最も人気のあったアトラクションが5つあったんです。
このベスト5の内、4つがディズニーがいろんな会社とか団体から依頼されて作ったものなんですよ。

 “イッツ・ア・スモールワールド”、“カルーセル・オブ・プログレス”、“フォード・マジック・スカイウェイ”、
そして“リンカーン大統領との偉大なひととき”。

 この4つをディズニーは作ったんですけど、4つとも本当にベストの人気アトラクションだったんです。
・・・
 ディズニーはリンカーン大統領との偉大なひとときのためにヒューマノイドを作ったんですね。
この時から、ディズニーの“オーディオ・アニマトロニクス”というのが始まります。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/1/b/1b9f9482.png