>>743
 この車が、行く先々で360度回転して「今はこれを見てください」「ここではこれを見てください」
というふうに、強制的に振り回されるんです。

正面以外は塞がれているもんだから、横に何があるかは見えないんですよ。
 おまけに、耳元にあるスピーカーから、ストーリーが流れてくるんですけど、
なんか“耳元で囁かれている感じ”なんですよ。これが上手い。
・・・
 この乗り物は“オムニムーバー”という仕掛けだそうです。

(オムニムーハ?ー、パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/c/2/c269685e.png

 オムニムーバーというのは、このディズニーランドで開発されて、
確か“ミクロアドベンチャー”か何かで最初に使われたものなんですけど。
これの使い勝手がいいということで、その後、ホーンテッドマンションに持って来られたんですね。

 こうやって座席自体が回転するようになっているので、秒速60センチくらいの速度で座席を移動させながら、
左右好きな方を向かせることができるんですね。

 地下の世界に降りて行く時、このオムニムーバーが後ろ向きになって、
後ろを向いたまま坂を下っていくんですけど、この時には何も見えないんです。

真っ暗な天井が見えるだけ。囁くようなナレーションが聞こえる中で下がって行って、
下までついたら、いきなり眼の前に、墓場から幽霊が甦った世界が、バーっと広がっている。

 この幽霊たちというのが、想像以上に騒がしいんですよ。なんかね、怖いだけじゃなくて、
面白さとのブレンドが絶妙だったんですね。

 このホーンテッドマンションは、「一番最初に呪われた屋敷に入って行って、その後、
エレベーターみたいなもので地下に連れて行かれて、死者の世界を車に乗って彷徨って、その後、帰ってくる」
という構成になっているんですけども。

 なぜ、こんなふうになっているのかというと、「
観客は、一度死んで、死後の世界を彷徨うんだけど、その後、脱出に成功して、生きて帰ってくる」
というストーリーになっているからなんですよ。

 これ、実は“カリブの海賊”も同じなんです。
「海賊がいた時代にタイムスリップしちゃったんだけども、無事に帰ってこれた」ということなので。

 つまり、基本的に「海賊を見せよう」とか「お化け屋敷を見せよう」というコンセプトじゃないんですよね。
コンセプトが違うんです。