>>550
 例えば、これは有名な“ワールドバザール“という、デイズニーランドの入り口にあるお店なんですけども。

(パネルを見せる ワールト?ハ?サ?ール)
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/d/8/d81b7a43.png

 これにも、“7:5:4の魔法”が掛かってます。7:5:4というのはどういう意味かというと――

(岡田、パネルにマジックで書き込みを入れる 斜め線)
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/5/0/50ec2557.png

 今、大雑把に線を3本引きました。1階の部分と2階の部分と3階の部分。
これ、それぞれでサイズが違うのがわかりますか?

 まず、1階の部分が、実際の世界の8分の7の縮尺。2階が8分の5の縮尺。
そして3階が8分の4、つまり2分の1の縮尺で作られているんですね。
ディズニーランドの建物は、上に行けば行くほど小さくなっていくんです。

 だからといって、これ、上に行くほどどんどん小さくしていけばいいのかというと、そうではないんです。
この手法が通用するのは、実は3階か4階が限界なんですよ。

 なので、このワールドバザールでは、すごく上手く、
3階建てや4階建ての建物というのをずらっと並べているんです。
 これ、人間の目線で見るからこそ、この縮尺が効くんです。
だから、こういうふうに真横から写真を撮っちゃうと、実はマジックの効果も薄れてしまうんですけども。

 これが、ウォルト・ディズニーが言った「全ては縮尺で印象が決まる」ということなんですよ。

 同じように、これはデイズニーランドの中にある“ニューオリンズ・スクウェア”と呼ばれる場所ですね。
これも、真横から写真を撮るとわかりやすくなっちゃうんですけども。

(パネルを見せる ニューオリンズスクウェア)
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/0/2/025a0c31.png

 フランス文化の影響で、バルコニーが多くある、テキサス州のニューオリンズの街を再現した場所です。
 1階、2階、3階と、どんどん縮尺が変わっているのがわかります。

 こういうふうに、縮尺を変えて作ることによって、コストダウンというよりは
「本物を作るよりも本物らしく見せる」という考え方があるんです。
これも、やっぱり基本的には映画のセットなんですよね。