>>971
 だいたい、船長がクビになる時というのは、クオーターマスターが自動的に臨時船長になる。
クオーターマスターがクビになるようなことがあったら、代わりのクオーターマスターを、
みんなの中から選んだりするということで、この2人体制でなんとかやってた。

 こうやって、強力な権力を認めつつ、それが1人の人間に集中しないようにしているというところが面白い。
 流石に、“三権分立”というところまでは思いついてないんだけど、この2つを分けるだけで、十分に先進的だったんだ。
 だって、この時代は「この後、ようやくフランスが絶対王政になる」っていう頃なんだから。
そういう意味では、陸よりも遥かに上手くやってたんだよな。
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 この船長とクオーターマスターというのは完全に同格で。
 例えば、さっきのバーソロミュー・ロバーツ艦長の艦隊では、どれだけ平等だったのかというと。

(パネルを見せる)分け前 http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/1/a/1a9e1325.png

 海賊船って“わけまえ”が決まってるんだよね。
 海賊船で略奪した宝のわけまえというと、「船長が大部分持っていく」みたいなイメージあるじゃん。
実際は全然違うんだよ。

 では、どれくらい貰うのか?
 船長とクオーターマスターは、船員2.0人分。
 次に、甲板長(ボースン)と、砲長と、砲撃手。彼らは他に比べてリスクが多いんだ。
砲長は火薬とかで怪我をする場合が多いし、甲板長は一番怪我をする機会が多い役職なので、これは船員1.5人分。

 そして、士官。航海長とか一等航海士みたいな役職は、船員1.25人分。25%しか違わない。
 それ以外の全員は、船員1.0人分。これがバーソロミュー・ロバーツ船長の艦隊のわけまえだ。
 ということで、実はわけまえがすごくハッキリしていて、その上、綺麗に明記されて、最初から張り出されるんだ。
 あらゆる海賊というのは、その船に乗るかどうか決めようとした時に、これを見せられて「これに文句はないな?」
というのにサインしないと乗れないようになってたんだよ。すごいよね。
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