>>863
 『キャプテン・アメリカ』の原作コミックが始まったのは1941年。
だから、本当に第2次大戦が始まるか始まらないかの頃なんですけど。
 映画版の『キャプテン・アメリカ』では、その当時のコミックスの中にある正義感とか世界観というのを、
ちゃんと21世紀の現在に通用するようなお話に作り変えて見せているんですね。
 なので、メチャクチャバランスがいい。

 僕は、この『キャプテン・アメリカ』を見て、「いわゆるマーベルのスーパーヒーロー映画は、
ちゃんと芯が通ったな」というふうに思いました。

 ここまでの5作品……まあ、『アイアンマン』は2本作ったんですけども。
これらをまとめて、2012年に映画『アベンジャーズ』というのが作られます。
 これは「マーベルのいろんなヒーローが同時に出てきますよ!」という映画で、
ラストのニューヨークでの決戦まで、もうノンストップでアクションが続いていくんですね。
そして、これがメチャクチャヒットしたわけです。

 その結果、以後、このパターンが、基本になってくるんですよ。
 まず、各ヒーローそれぞれのエピソードを積み上げて行く。
例えば『キャプテン・アメリカ2』とか、『アイアンマン2』、『3』とか、そういった単品での作品が積み重なって行く。
 さらに、その中で「新ヒーローが登場する新しい映画」というのが公開される。
 そして、それをまとめて『アベンジャーズ2』『3』と、ヒーローたちが一堂に会する作品が作られるんです。

 『アベンジャーズ』というのは全体的にキャラがいっぱい出てくるんですけども。
 基本的には「理想主義者であるキャプテン・アメリカと、現実主義者のアイアンマンの物語」だと思っておけば、
あまり本筋を見失わなくてすみます。

 キャプテン・アメリカというのは、いつも「戦うべき理由」と「戦うべき相手」というものから、
ずっと目を離さないんですね。基本的に理想主義者ですから。
 それに対して、アイアンマンというのは、「新人勧誘」とか「世間との調整」という、わりと現実主義者的な立場を取ります。
 だいたい、大きくそんな流れだと思ってください。

(中略)