>>22
「ゲーム業界はオーストラリア大陸です。
プログラム好きの理系が集まってゲーム性を追求し、独自の進化をとげました。
その結果、グラフィックに関しては異常に弱い。

対してわがガイナックスはアニメ業界では最強ではありませんが、それなりの実力をもっています。
絵、特にパソコンユーザーが見たいと思っている、かわいい女の子に関しては、超一流のスタッフ揃い。

オーストラリアに進出すれば、彼の地のグラフィックはフクロオオカミ同然です。
我々の実力で絶対に勝てます」

 なるほど!
 思わず膝を打った。
 僕たちの長所を生かしたゲームを作ればいいんだ!
 舞い上る僕に赤井は釘をさす。

「ゆめゆめゲームを作ろうと思っちゃダメですよ。ゲームを作る実力は、今の僕たちには全然ない。
ゲームと呼べるものを作るのは、あと数年は無理です。

いまできるのはモニター画面にすごくかわいい女の子のアラレもない姿を見せて、
それをユーザーにゲームだと信じ込ませることだけです」

 僕は赤井の言葉をかみしめた。

「俺たちの作るゲームは偽物なの?」
「マジメゲームとしては偽物でしょう。でもえっちゲームとして超一流を狙いましょう。
卑下して自分たちを安売りしてはダメです」