2018年02月19日07:00
「100%信じて読むのが一番楽しい!」オタキング流・歴史漫画の読み方
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51545361.html

 僕が一番良いと思う歴史漫画の読み方がどういうものかというと。
 例えば、「織田信長は秀吉に殺された」とか、「千利休は切腹の間際に大暴れをすることで最後のおもてなしをした」とか、
 「真田幸村は大阪の陣でレオナルド・ダ・ヴィンチの戦車に乗って戦った」と言うと、必ず「それは無茶だ」とか、
 「史実と違う」みたいなツッコミが一斉に入るんです。コメントにもいっぱい流れましたよね?

 だけど僕は、千利休流に言うと「そういったツッコミは“余計”だ」と思うんですね。
 歴史漫画を読む時に一番いいのは、「こうだったかもしれないな」どころではなく「こうだったに違いない!」と信じる所から始めることなんですよ。
 マジな話、完全に信じて読むと、面白さ倍増ですよ?

 もうね、これまで学んできた歴史的な常識とか、そういうものは全部取っ払って、「絶対にこうだ!」って、信じたほうがいい。
「千利休は、切腹を命ぜられた時、周りの人間に対してあえて毒づくことで、自分の介錯を行う古田織部の罪悪感を少しでも晴らそうとしてたんだ!」
と信じた方が、はるかに面白いし、頭に入ってくるんですよ。
・・・
 例えば、よしながふみの『大奥』っていう漫画がありますよね。
 「江戸時代に将軍家の男子がほとんど死んでしまって、女ばかりで将軍家やる」っていう漫画。
 あれも、「こんなことあるわけがないよな」とか考えるんじゃなくて、「江戸時代はこんなことになっていたんだ!」って信じて読んだ方が、
 絶対に面白いし、実は、その方が、作品内に散りばめられた“徳川家の政治の進め方”というのが、頭の中によく入ってくるんです。

 あとは、『蒼天航路』っていう、僕が大好きな三国志の漫画があります。
 この『蒼天航路』の中では、なんと諸葛孔明は人間ではなく“妖怪”として描かれてるんですよ(笑)。
 だから、気が弱いやつには諸葛孔明は見えるんだけども、主人公の曹操孟徳は周りをフラットな目で見る人物だから、
 妖怪である諸葛孔明が見えないし、声が聞こえないんですよ。自分が無視されていることに諸葛孔明がすごく怒ると、
 周りにいる妖精たちが「孔明、お前、人間じゃないんだよ。忘れてた?」 みたいなことを言うシーンがあるんですけども。

 これについても、「諸葛孔明は妖怪だったに違いない!」と思って読んだ方が、絶対に面白いんですよ。
 なにより、三国志演義のような歴史書に大幅な演出を加えて作られた面白いエンターテイメントの中では諸葛孔明は大活躍するんですけど、
 正史の中での諸葛孔明って、ほとんど出てこないんですね。だから、妖怪と考えた方が面白いんですよ(笑)。